シティアドベンチャー
FLSのDMメーリングリストでBさんからシティアドベンチャーというキーワードが降ってきた。
TRPGにおいて、シティアドベンチャーというのは最難度のカテゴリーであるとGは思っていた。
管理、進行、アドリブ、シナリオ何れもがしっかり出来るのが前提であり、独特のコツもある。
振り返るとTPRG時代は推理物を初めとしたシティアドベンチャー系は得意分野であったけど、NWNをつかったセッションではシティアドベンチャーはかなり避けてきたように思える。
避けてきた理由
・時間が読めない
FLSのセッションは1時間〜2時間程度。
ロングシナリオを時々やることもあるけど、それはあくまで例外で、長くても3時間程度で終わっていたような気がする。
(休み前とかだと4時間とかあるけどw)
皆さん次の日には予定や就業、学校などがありますからね。
予め○時間かかると分かっていて敢えて参加するのならともかく、読めない時間のシナリオに参加して何時間もとられるのは結構辛いとおもわれる。
自らの進行でのみ歩を進めるシティアドベンチャーにおいて、進行の時間調節マージンはかなり少ない。
調節マージンは主に「強制イベント」という形をとって、情報開示、ヒント、進展を一気に行う。
これを多く行うと「DMが物語を見せてる」ようになってしまうので、「ここまで」という限界が自ずと発生する。
・管理と用意が面倒くさい
シティアドベンチャーはアドリブで行えるシナリオ構築部分が皆無で、事前準備が大事になります。
最低限で、これらを決めておかないといけないんですね。
しかもコツが特殊
シティアドベンチャーというのはPCの推理や行動にてのみ進行するものであるから、マスターが進行できる自動進行部分がかなり制限されます。
挟める「強制イベント」を使うという手もあるけど、それを繰り返すとDMが進行している形になってしまい、非常にしらける。
行き詰まったときにのみにしか使えない技で、しかも回数制限付きという事。
特殊能力:「強制イベント(1回/1日)」である。
あとは自力でPCに進めて貰うしかない。
だけれどもPCは意外とDMのヒントに気が付かない物である。
情報収集もすんなりいくとも思えないので、ヒントの出し方もポイントになる。
分かり易すぎれば不満がでるし、難しすぎれば進まない。
だが、一番重要なのはどのようなPCの行動であろうが必ずシナリオを進展させるアドリブである。
これが出来ないDMはシティアドベンチャーをしてはいけない。
例えば、事件と関係ない街路地の乞食に情報を尋ねたとしよう。
「いや、まったくしらない」と答えるのはシティアドベンチャーでは御法度で、≪あらゆる行動は、例えほんのわずかでも事件解決方向に貢献しなければいけない≫という絶対法則があるのだ。
これは乞食に「わかんねぇけど図書館にいけば調べられるんじゃないかな?」などでもいいわけ。
だけども、意外とこのアドリブは非常に辛い。(他にもやる事おおいからね)
「えーーーっ。そりゃ全く関係ないよね!」というPCの行動にすら事件進展を埋め込まなければならない。
それをやりながら、背後ではタイムスケジュール通りにNPCをうごかし、PCのとった行動と時間的突き合わせをしながらセッションを進行しなければならない。
つまりNPCとPCの二つのパーティとセッションをしているような物なのね。
これは高度。
つまり面倒くさいんですな。ぶっちゃけると(笑)
気軽に出来ないというプレッシャーがシティアドベンチャーを避けさせるわけです。
もちろん進展管理をまったくしないで、「はいどうぞ」とやるなら別。
だけど、長年シティアドベンチャーを繰り返して、つれそったプレイヤーとDMならいざ知らず、昨日今日始めたシティアドベンチャーで情報収集経路の割り出しやNPCの「うさん臭さの機微」とかをくみ取れったって、そりゃぁ無理よね。
NWNでの問題点
FLSであるなら、元からシティアドベンチャーもセッションできるようにシステムが構築されているので問題は無いかもしれない。
全てのNPC会話はDMが移動しなくても出来るし、あらゆるPCの会話は一元管理されたウィンドウにエリア名付き色つきで表示される。
ちょっと頭を使えば問題なし。
ただ、イベント時には必ず現地に行かないと流石にむりで、PCがバラバラに行動した場合、会話だけならいざ知らず、アクションイベントを起こされるとかなりキッツイかもしれません。
お、そうか・・・。これこそ複数DMシステムの出番か(笑)
でもいつかは通らなければいけない関門ぽいですな。
シティアドベンチャーを自在に出来るようなシステムが完成したときこそ、FLSのセッションシステムは完成となるような気もします。